「酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育」とは、酸素欠乏や硫化水素中毒のリスクがある作業に従事する労働者に対して実施が義務付けられている、労働安全衛生法に基づく特別教育のことです。
・なぜこの教育が必要なのか?
酸素欠乏や硫化水素中毒は、即死の危険性がある重大な労働災害です。
酸素欠乏とは
- 空気中の酸素濃度が18%未満になる状態。
- 呼吸困難、意識障害、最悪の場合は死亡することも。
硫化水素とは
- 下水、温泉、パルプ工場などで発生する有毒ガス。
- 低濃度でも毒性が強く、高濃度では数回吸っただけで死に至る。
・教育の対象者
- マンホール・下水道・タンク・ピットなどの密閉・閉鎖空間で作業する人
- 化学プラントや工場、清掃作業、解体工事などで硫化水素が発生する可能性のある作業を行う人
・教育内容(学科教育)
教育項目 | 内容例 |
---|---|
酸素欠乏・硫化水素の発生メカニズム | どのような環境・条件で発生するか |
健康障害の内容と予防方法 | 中毒症状、救命処置、事前対策など |
呼吸用保護具の使用方法 | 空気呼吸器、送気マスクなどの使用法 |
測定器の使い方 | 酸素濃度計・硫化水素濃度計の取り扱い |
緊急時対応・救助措置 | 意識を失った人の救出手順、通報体制 |
関連法令 | 労働安全衛生法、施行令、通達など |
義務・法令の根拠
- 根拠法令:労働安全衛生法 第59条第3項
- 対象作業を行う労働者には、事業者による特別教育の実施が義務とされています。