「職長能力向上教育(しょくちょうのうりょくこうじょうきょういく)」とは、建設業や製造業などの現場で職長(=現場のリーダー)や安全衛生責任者が、安全・衛生・労働管理の知識やリーダーシップをさらに高めるための教育のことです。
正式には「職長等能力向上教育」と呼ばれ、労働安全衛生法に基づく厚生労働省令(労働安全衛生規則第40条の2)によって定められています。
背景・目的
職長は、現場作業員の指揮・監督を行い、安全な作業環境を作る重要な役割を担っています。
しかし、作業環境や技術は年々変化しており、初回の「職長・安全衛生責任者教育」だけでは最新の知識が不足することがあります。
そのため、一定期間ごと(おおむね5年ごと)に職長が知識・技能を更新し、能力を向上させることを目的として実施されます。
教育内容(主なカリキュラム例)
教育はおおむね 5~6時間程度 で、以下のような内容が含まれます。
- 最近の労働災害の動向
→ 労災発生状況、原因分析、新しいリスク要因など - リスクアセスメントと安全管理
→ 危険予知(KY活動)、ヒヤリハット、改善策の実践方法 - 指導・教育の進め方
→ 作業員への安全指導、モチベーション管理、コミュニケーションスキル - 作業環境の改善と健康管理
→ 熱中症対策、腰痛予防、メンタルヘルス対応など - ヒューマンエラー防止と現場の安全文化づくり
対象者
- すでに「職長・安全衛生責任者教育」を修了している人
- 現場で実際に職長や班長などの指導的立場にある人
実施時期
- 明確な法的「期限」は定められていませんが、
概ね5年ごとに受講するのが望ましいとされています。