「熱中症予防管理者」とは、職場において熱中症の発生を未然に防止するための対策を計画・実施・管理する担当者を指します。特に夏季や高温環境下での作業がある現場では、重要な役割を担います。
熱中症予防管理者の目的
- 作業環境・作業内容に応じた熱中症予防対策の計画・実施
- 従業員の健康状態や作業負荷の把握と適切な管理
- 緊急時の対応体制づくり
- 職場全体の熱中症に対する意識向上
主な役割・業務内容
業務内容 | 説明 |
---|---|
作業環境の評価(WBGT値の測定など) | 暑熱リスクの見える化 |
暑熱作業計画の立案 | 作業スケジュール・休憩時間の調整 |
水分・塩分補給の指導 | 自発的な補給の促進や塩タブレットの配布 |
熱順化(暑さに慣れる)対策の推進 | 徐々に身体を慣らす工程管理 |
熱中症警戒アラートやWBGTの活用 | 気象庁等の情報と現場環境の連動管理 |
緊急時対応マニュアルの整備 | 発症時の応急処置・救急連絡体制の構築 |
教育・訓練の実施 | 従業員に対する熱中症の知識普及 |
資格や法的義務について
現在の法的立場:
- 国家資格や法的な「熱中症予防管理者」制度は存在しません。
- ただし、事業者には労働安全衛生法に基づき、労働者の健康管理を行う義務があります。
実務上の対応:
- 建設業、製造業、運送業、屋外作業を含む事業場では、企業ごとに「熱中症予防担当者」または「予防管理者」を任命して対応。
- 一部の業種や団体では、社内教育や外部研修を受けた担当者を「熱中症予防管理者」として社内認定しています。