化学物質管理責任者(事業者向け)とは、事業場で使用・製造・取り扱う化学物質の安全な管理を統括する責任者のことです。2023年4月の労働安全衛生法改正(いわゆる 化学物質規制の強化)に伴い、多くの事業者で選任と教育が求められるようになりました。
■ 化学物質管理責任者(事業者向け)とは?
事業者が、化学物質による労働者の健康障害を防止するために、
化学物質管理の中核となる人物を選任し、
適切な管理体制を構築・運用するための責任者です。
「事業者向け」と付く場合は、
事業者(会社側)の立場で化学物質管理を組織的に行うための責務を理解するための教育や制度
を示すことが多いです。
■ 主な役割
① 化学物質リスクアセスメントの実施・監督
- 取り扱う化学物質の危険性・有害性の把握
- 曝露評価(作業者への影響の程度)
- リスク低減措置の立案
② 化学物質管理体制の構築
- 安全データシート(SDS)の管理
- ラベル表示の確認
- 曝露防止措置の導入(換気、密閉、保護具など)
③ 作業者への教育・訓練
- 化学物質の危険性、有害性
- 取り扱いルール
- 緊急時対応(漏洩、火災など)
④ 化学物質管理帳票の整備
- 使用量、保管量、設備点検記録
- リスクアセスメント結果の記録
■ 必要な教育
「化学物質管理者教育(化学物質管理責任者教育)」と呼ばれる講習を受講します。
改正後は、以下の教育が推奨・必要とされます:
- 化学物質の危険性・有害性の基礎
- リスクアセスメントの方法
- ばく露評価の考え方
- 保護具や換気などのリスク低減措置
- SDS・ラベルの読み方と管理方法
■ なぜ「事業者向け」と書かれるのか?
「化学物質管理責任者」は以下の2種類に分けて説明されることがあります:
- 事業者向け(管理者向け)教育
- 事業者が責任者に必要な体制を整えるための内容
- 会社全体での化学物質管理ルールを作る視点
- 作業者向け(現場担当者)教育
- 実際の取り扱い方法を理解する内容
- 現場での安全確保が中心
「事業者向け」は、組織レベルで化学物質管理を行う立場向けであり、より高度な内容が含まれます。