「化学物質管理者(かがくぶっしつかんりしゃ)」とは、職場において使用・取り扱う化学物質を適切に管理し、従業員の健康と安全、環境への影響を防止する責任者のことです。特に労働安全衛生法や化学物質のリスクアセスメント制度の強化に伴い、企業において重要な役割となっています。
化学物質管理者の概要
主な目的
- 労働者が化学物質による健康障害(中毒・火災・爆発など)を受けないようにする
- 化学物質の使用・保管・廃棄に関する安全対策を実施
主な業務内容
項目 | 内容 |
---|---|
化学物質の把握 | 事業所内で使用・保管・生成される化学物質の種類・量・性質の把握 |
SDSの管理 | 安全データシート(SDS:Safety Data Sheet)の収集・保管・従業員への周知 |
リスクアセスメント | 危険性・有害性の評価を行い、必要な防止措置を講じる |
表示・ラベル管理 | 容器や設備に対して適切な化学物質名や注意表示を行う |
保管・取扱い方法の管理 | 保管場所の確保、換気、温度管理など安全な取り扱いを指導 |
教育・訓練の実施 | 従業員に対する化学物質のリスクや取扱方法の教育 |
法令対応 | 労働安全衛生法、PRTR法、消防法、毒物劇物取締法などの遵守 |
対象となる化学物質の例
- 有機溶剤(トルエン、キシレンなど)
- 特定化学物質(ベンゼン、アスベスト、鉛など)
- 労働安全衛生法で指定された「管理が必要な化学物質」