「保護具着用管理者(ほごぐちゃくようかんりしゃ)」は、労働安全衛生の分野で使われる用語で、作業現場などにおいて保護具(マスク、防護服、安全靴、ヘルメットなど)を正しく着用・管理させる責任を負う人のことです。
主な役割:
- 作業員に適切な保護具を着用させる指導
- 保護具の選定(用途・リスクに合ったもの)
- 保護具の点検・整備・交換管理
- 教育・訓練の実施
- 着用状況の確認と記録
なぜ必要?
化学物質を扱う作業など、リスクの高い職場では、労災を防ぐために保護具の適切な着用が不可欠です。保護具が適切に使われていないと、事故・病気の原因になります。そのため、誰かが責任をもって管理する必要があります。
第22条(事業者の講ずべき措置)
事業者は、労働者の危険または健康障害を防止するために必要な措置を講じなければならない。
この「必要な措置」の一つとして、「保護具の使用」が含まれます。
【第563条】(保護具の使用)
事業者は、労働者を有害物または有害光線などにさらす作業に従事させるときは、防じんマスク、防毒マスク、保護メガネ、保護衣等の保護具を使用させなければならない。
【第564条】(管理者の選任)
事業者は、一定の危険有害業務に従事させる場合には、保護具の使用に関する指導監督を行う者(=保護具着用管理者)を選任しなければならない。法律違反があると、労働基準監督署の指導や罰則の対象になる可能性あり。
法律で保護具を使わせる義務が事業者にある。
そのためには、保護具着用管理者を選任し、着用指導・点検・管理を行わせることが義務。